お昼のドン

太鼓の太い音が腹にくるのは、やはり、太鼓の音が腹から来ているからなのだろう。
太鼓を叩くうえで最も重要なのは、腰の位置であり、姿勢である。

 

 


丹田から発生するエネルギーが、太鼓を叩くための全身運動にしっかり伝わらない限り、叩かれた太鼓の響きもどこか間の抜けた音になってしまう。

 

 


ところで、腹に伝わるような太い音を出すことだけが太鼓の魅力なのではない。

 

 


ここまで書いておいてあれなのだが、自分は「太鼓=太い音」という方向性しかないことに退屈さを感じているのであって、ひとつの方向性だけを目指す太鼓演奏のステレオタイプ化にはやや疑問を感じている。

 

 


前述したような間抜けな音を意図的に出すことによって、かつてない太鼓音楽が誕生するということだってあるはずだ。

 

 


間抜けな音、小さな音によって構成された太鼓の音楽があるのならばぜひとも聞いてみたいものだし、間抜けさや小ささに満ちた演奏のなか、決定的な瞬間に打たれる「ドン!」の一撃は、普段の「ドン!」とは違った趣を持つことにもなるだろう。

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